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【税務】ベトナムにおけるグローバルミニマム課税対応 企業が守るべき重要期限
2025/03/20
ベトナムでは、決議107/2023/QH15(「決議107」)に基づき、グローバル税源浸食防止措置としてグローバルミニマム課税が適用される。2024年度より施行予定の政令案が近日中に正式公布される見込みである。
正式な政令の公布を待たずとも、適用対象となる企業グループおよび企業は、決議107に基づく税務手続きを進める必要がある。初期手続きの期限が短いため、適時の対応が求められる。
主要な期限と手続き
グローバルミニマム課税の適用対象企業は、以下の手続きを期限内に完了しなければならない。
(1) 申告責任を負う構成事業体の通知
提出物
・申告責任を負う構成事業体(ベトナムの子会社等)に関する通知
期限
・会計年度終了後30日以内
・2025年3月31日に会計年度が終了する企業は、2025年4月30日が提出期限
提出方法
・税務局へ書面または電子的に提出
・発行済みの政令案のフォームを使用
留意点
・ベトナムに構成事業体が1つしかない場合、その事業体が申告・納付を行う。
・ベトナムに複数の構成事業体が存在する場合、最終親会社がそのうち1つの構成事業体を指名し、追加法人税の申告・納付を行わせる必要がある。この指名に関して、構成事業体は会計年度終了後30日以内に税務当局へ通知を提出しなければならない。
・政令が正式に公布されていない場合でも、適切な方法で通知を提出する必要がある。
(2) 税務登録
提出物
・税務登録申請書および関連書類
期限
・会計年度終了後90日以内
提出方法
・税務当局へ直接提出
※現時点では、税務システム上に当該オンライン登録機能がまだないため。
留意点
・申告・納付の責任を負う構成事業体が登録を行う。
・期限を過ぎると、申告や納付に影響が出る可能性がある。
(3) 構成事業体のリストの通知
提出物
・グローバルミニマム課税の適用対象となる構成事業体リスト
期限
・会計年度終了後9カ月以内
提出方法
・税務当局へ書面または電子的に提出
留意点
・適用対象企業グループは、ベトナム国内の構成事業体のすべてを網羅したリストを作成する必要がある。
(4) 税務申告
提出物
・グローバルミニマム課税情報申告書
・追加法人税申告書
・会計基準の相違による調整項目の説明資料
期限
・会計年度終了後12カ月以内
提出方法
・税務当局へ書面または電子的に提出
留意点
・内容に不備があると追加の確認や修正が求められる可能性がある。
・期限内に申告・納付を完了しない場合、罰則や延滞料が発生する可能性がある。
以上がグローバルミニマム課税に関する税務手続きの概要である。該当する企業は、各期限を遵守し、早急に対応を進める必要がある。特に、最初の手続きである「申告責任を負う構成事業体の決定と通知」は期限が短いため、速やかに準備を進めることが求められる。その他の手続きについても、余裕を持った計画を立て、期限超過によるリスクを回避することが重要である。