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【保険】国会で健康保険法の条項の一部を改正・補足する法案を可決

2024/12/12

2024年11月27日、国会は「健康保険法の条項の一部を改正・補足する法案」(以下「改正法」)を可決した。改正法の注目すべき内容は以下の3つである。

◆ 健康保険の加入対象者の修正・追加

No. 現行法 改正法
1 無期労働契約または「3カ月以上」の有期労働契約で働いている。 無期労働契約または「1カ月以上」の有期労働契約で働いている。
2 給与を受給している企業管理者 給与を受給している以下の者
企業管理者、取締役会役員、社長、ディレクター、監査役会の役員、監査等
3 対象なし 給与を受給していない以下の者
企業管理者、取締役会役員、社長、ディレクター、監査役会の役員、監査等(*)
4 対象なし ベトナムで働き、ベトナムの雇用者と12カ月以上の有期労働契約を結び、また社会保険に加入している外国人労働者。しかし、以下の例外を除く。
・法令に定められた社内異動の場合
・労働契約の署名時に、労働者が労働法第169条第2項に定められた退職年齢に達している場合
・ベトナムが締結している国際条約に異なる規定がある場合
5 対象なし 以下条件を満たすパートタイム労働者は社会保険加入対象となる。
・1カ月以上の有期労働契約または無期労働契約によりパートタイムで働いている。
・月給が社会保険料算定基準の下限と同等かそれ以上である。

(*)改正法には、この条項がベトナム国民にのみ適用されるのか、またはベトナム国民と外国人両方に適用されるのかについて明記されていない。しかし、2024年の社会保険法(2025年7月1日施行)では、「給与を受給していない企業管理者、取締役会役員、社長、ディレクター、監査役会の役員、監査等が社会保険に加入しなければならない」という規定は、ベトナム国民にのみ適用され、外国人には適用されないとされている。
そのため、改正法のこの規定も、2024年の社会保険法と同様に解釈され、外国人には適用されない可能性が高いと考えられる。今後、改正法に関連するガイダンスに注視し、最新情報を提供する。

 

◆ 複数の労働契約がある労働者の健康保険加入に関する規定の改正

現在の健康保険法では、複数の労働契約を持つ労働者が健康保険に加入する際、最も高い給与の労働契約に基づいて加入すると規定されている。しかし、改正法では、複数の労働契約を持つ労働者の健康保険加入は、社会保険に加入する労働契約に基づくことに変更された。つまり、最初に締結した労働契約に基づき、社会保険および健康保険に加入することになる。

 

◆ 健康保険の未納・不正納付に関する規定の追加

改正法の第1条第33項および第34項では、雇用者が健康保険料の未納や不正納付を行った場合の規定と、それに対する処置について追記されている。改正法は2025年7月1日から施行される予定であり、企業はこの法改正に迅速に対応するための体制を整える必要がある。

 

参考文献:
2024年健康保険法の条項の一部を改正・補足する法案