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【税務】2024年付加価値税法 改正内容の主要ポイント
2024/12/19
2024年11月26日、第15回国会第8会期において、「2024年付加価値税法」(以下「2024年VAT法」)が可決された。この法律は2008年付加価値税法に置き換わるものとして、2025年7月1日に施行される。本ニュースでは、企業への影響が大きい重要な変更点を解説する。
1. 輸入品の課税価格に関する規定の改正
従来、輸入品の課税価格は国境ゲートでの輸入価格に、それぞれ該当する場合に輸入税、特別消費税、環境保護税を加算したものだったが、2024年VAT法では、これらに加えて法律で規定された補足の輸入税(a.アンチダンピング税(AD)、b.補助金相殺関税(CVD)、c.産業保護税)が、該当する取引である場合に新たに加算される。
2. 一部の商品およびサービスの税率調整
2.1. 非関税区域への商品およびサービス提供における輸出税免税0%の適用条件の変更
非関税区域内の企業に直接販売または提供された商品やサービスについて、これが「非関税区域内で消費され、輸出生産活動に直接関連する」という条件が追加された。ただし、輸出生産活動に直接関連することの具体的な内容については明確に規定されておらず、今後の通達や政令で詳細に案内される見込みである。
2.2.非課税商品から5%課税商品への変更
以下の商品は新たに5%の税率適用対象となる
・肥料
・沿岸地域で漁業活動を行う漁船
3. 仕入VATの控除条件の変更
仕入VAT控除の条件として現金支払上限の基準が削除された。この基準に関しては別途政令または通達で案内される可能性がある。また、輸出商品およびサービスに関連する仕入VATを控除するためには、梱包明細書、船荷証券、および貨物保険書類(該当する場合)を追加書類として求める規定が新たに設けられた。
4. VAT追加申告の原則
納税者が月次または四半期ごとに行うVAT申告に誤りや不足があり、支払うべき税額が減少したり、次回申告以降に控除できる税額が増減したりする場合、誤りや不足を発見した月または四半期に追加申告を行うことができる。
5. VAT還付に関する規定の明確化
5.1. 投資プロジェクトのVAT還付
投資プロジェクトにおけるVAT還付の申請期限は、プロジェクトまたは投資フェーズ/投資項目が完了した日から1年以内となる。その完了日は、当該プロジェクトまたはフェーズ/項目における売上が発生した日と定義される。ただし、試運転期間中の収益や財務活動による売上、原材料の売却による収入はこの売上に含まれない。この規定は納税者にとって有利な内容である。
5.2. その他のVAT還付規定の廃止
企業の所有権の変更、事業転換、合併、統合、分割、分離などに関連するVAT還付規定は正式に廃止された。
5.3. VAT還付の条件追加
VAT還付申請について、対象インボイスの発行者がVATを申告納税していることが条件として新たに追加された。
2024年VAT法の改正内容に対応するためには、社内での早期の準備と適切な手続きが不可欠である。特に、輸入品の課税価格や仕入VATの控除条件、VAT追加申告の対応方法については、現行の運用を見直し、必要な調整を進めるべきである。投資プロジェクトに関連するVAT還付の手続きについても、期限内のスムーズな申請が求められる。
企業は今後も詳細なガイダンスや通達に注目し、変化に柔軟に対応していくことが重要である。
参考文献
2024年付加価値税法の48号/2024/QH15