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【税務】2025年施行の個人の税務登録手続きに関する重要な変更点

2025/03/06

個人の税務登録手続きを規定する「通達86/2024/TT-BTC」が2025年2月6日から施行され、「通達105/2020/TT-BTC」 に代わる新しい要件が導入された。特に、会社や駐在員事務所等の所得支払者を通じた個人の税務登録手続きに関して要件が変更されており、詳細は以下の通りである。

1. 労働者およびその扶養者(ベトナム国民)の税務登録

労働者およびその扶養者の初回税務登録手続きについて

(1) 新しい税登録手続きにおいて、まず労働者自身が所得支払者に対して税務登録のための委任状を提出する必要がある。通達105/2020/TT-BTCでは、委任状のフォーマットに指定がなかったが、新通達86/2024/TT-BTCでは、税務機関が定める公式フォーマットである「委任状(フォーム41/UQ-DKT)」の使用を義務付けている。

(2) 労働者が必要な書類を提出した後、所得支払者は労働者とその扶養者の税務登録情報を総括し、税務局に提出する。具体的には、労働者は「労働者税務登録申請書(フォーム05-DK-TH-TCT)」、扶養者は「扶養者税務登録申請書(フォーム20-DK-TH-TCT)」に記録される。これらの書類は、税務総局電子ポータルを通じて税務局へ提出する必要がある。
提出期限は以下となる。
・労働者税務登録申請書:納税義務が発生した日から10営業日以内
・扶養者税務登録申請書:扶養控除を申請した日から10営業日以内

(3) 税務局が情報を受理した後、適切な審査を行い、問題がなければ税コードが発行される。提出された情報に不備があればその理由が通知され、修正・再提出が求められる。

マイナンバーへの移行について

2025年7月1日以降、ベトナム人の労働者およびその扶養者の税務登録には、従来の税コードに代わり、12桁の個人識別番号が使用されることになる。通達86/2024/TT-BTCにおいては、従来の10桁の税コードを12桁の個人識別番号に変更するための具体的な手順は示されていない。
しかし、本件については、2025年7月1日までに税コードから個人識別番号への更新を完了するため、以下の対応が必要になると見込である。
・企業は労働者およびその扶養者が個人識別番号を取得済みであるかを確認し、未取得の場合には必要な手続きを行い、個人識別番号を取得するよう求める。
・企業は従業員から税務登録の委任状を収集し、必要な情報を更新した上で、税務局に「05-DK-TH-TCT」および「20-DK-TH-TCT」の各フォーマットを使用して申請する。

企業がとるべきアクション

企業は、すべてのベトナム人の労働者およびその扶養者の税務登録状況を確認し、必要な書類を速やかに収集する必要がある。特に、2025年7月1日以降は個人識別番号の使用が義務化されるため、未取得の従業員には早めの手続きを促すことが重要である。また、税務登録手続きを正しく進めるため、従業員から「委任状(フォーム41/UQ-DKT)」を取得し、適切なフォーマットで税務局に申請しなければならない。提出は総局電子ポータルを通じて行う必要があるため、企業の担当者はその仕組みを理解し、円滑な手続きができるよう準備しておくことが望ましい。
今後、税務局から追加のガイドラインが発表される可能性があるため、最新情報を随時確認し、適切な対応を取ることが求められる。

 

2.労働者が外国人である場合

外国人労働者およびその扶養者が個人識別番号を持っていない場合、従来通りの10桁の税コードが引き続き使用されることになる。

 

参考文献:
・通達86/2024/TT-BTC
・通達105/2020/TT-BTC
・2019年税務管理法