Newsニュース

新着法令情報

【企業】改正企業法案の主なポイント

2025/04/24

現在、企業法の一部条項を改正・補足する法案(以下「改正案」)が広く意見募集されており、企業活動の透明性向上と、行政手続きの簡素化を目的とした重要な改正が数多く盛り込まれている。以下が主要事項である。

1. 「実質的支配者」に関する情報の透明性強化
本改正案では、企業に対して「実質的支配者」に関する情報の収集・保存・通知を義務付ける規定が新たに追加された。これは、企業法案において初めて導入される概念である。具体的には、「実質的支配者」とは、以下のいずれかの条件に該当する個人を指す。

a) 企業の持分の25%以上を直接または間接的に保有している者
b) 企業の配当または利益の25%超を直接または間接的に受け取る者
c) 企業に対して最終的な支配権を持つ者

この規定は、マネーロンダリング対策およびテロ資金供与防止に関する国際的な金融活動作業部会(FATF)の勧告に沿ったものであり、法人格を悪用した違法行為の隠蔽を防ぎ、実質的な所有者を特定することを目的とする。

2. 新たな法的概念および企業の法的状態の追加
本改正案では、「資本金の虚偽申告」、「企業支配権」などの新しい法的概念に加え、「登録住所での非活動」、「解散手続中」など、企業の法的状態を明確に分類するための規定が盛り込まれている。これにより、企業管理の効率化が期待される。

3. 企業設立手続きの簡素化
企業登録に関する書類手続き(現行法2020年企業法第19条~26条)の一部を、政令にて規定する形に移行する。これにより、実務に応じた柔軟な対応を可能にし、設立時の手続き負担を軽減することが見込まれる。

4. 「配当」の定義を見直し
現行法で「純利益」とされていた配当可能な金額の定義について、本改正案では「税引後利益」とするよう提案されている。これにより、現行の財務報告制度との整合性を図ることが目的である。

本改正案は、現在、国会での承認に向けた意見募集段階にあり、今後の審議の進展に伴い、最新の情報を随時お届けする。

 

参考文献:
・2020年企業法
・改正企業法案(参照リンク:https://d.bmb.jp/9/284/190/14988