2011年7月29日号

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項 目

1. 個人所得税(PIT)

1.
育児中の女性従業員の残業手当とその個人所得税

2011年6月28日付ビンズン省税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 7619/CT-TT&HT号によると、生後12ヶ月未満の子供の育児中の女性従業員は、通常の8時間勤務から1時間短縮され、7時間勤務になるものとする。そのため当該従業員が8時間勤務した場合、1時間残業したと見なされる。また、当該残業手当は個人所得税算出の際、非課税となる。

2.
一人有限会社の個人出資者の個人所得税

2011年6月15日付ビンズン省税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 6914/CT-TT&HT号によると、個人出資による一人有限会社の場合、法人税納付義務やその他の納税義務の完了後の配当は個人所得税課税対象になり、投資所得に対する個人所得税として所得の5%に相当する税額を申告・納付する必要がある。但し、もし個人がその利益を基に会社の増資を行う場合、個人所得税を納付する必要はないが、会社の売却もしくは事業活動を一時的に停止する際には納税する必要がある。

2. 法人税(CIT)

1.
販売促進費用の損金算入

2011年4月28日付税務総局発行オフィシャルレターOfficial Letter 3649/CT-TTHT号によると、企業が販売促進に関する法令規定に従って販売促進活動を行う場合は、販売促進を目的とする購入商品(サンプル品として)の仕入付加価値税は控除可能である。また、当該商品の購入費用は損金算入できるが、その費用を除く損金の10%までという損金算入限度額を超えてはならない。(新規設立企業の場合、設立後3年間は、その限度額は15%である。)

2.
一人有限会社の個人出資者の個人所得税

2011年11月18日付財務省発行通達Circular 186/2010/TT-BTC号の規定に基づいて、外国投資家は企業の会計年度の終了後に、海外に年次利益送金の送金が可能である。但し、企業は以下の条件を全て満たす必要がある。

  • ベトナム政府に対して税務等の申告納税義務を十分に果たしていること。
  • 監査済決算報告書および法人税確定申告書を管轄税務局に提出済みであること。
3.
2011年度法人税の納税期限延長手続き

中小企業の2011年度法人税の納税期限延長に関する2011年7月7日付ホーチミン市税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 5562/CT-KK号によると、企業は、使用する申告ソフトウェアはVer2.5.5もしくは同バージョンよりも新しい申告ソフトウェアを利用して四半期毎の法人税の申告書及び年末の法人確定申告書を作成する必要があるとのこと。企業は、次のリンクから申告ソフトウェアのダウンロードが可能である(www.hcmtax.gov.vnもしくはwww.gdt.gov.vn)。納税期限延長に関する手続きの詳細内容については、以下の通りである。

書面で申告書を提出する企業のケース

申告書を作成する際は、決定Decision 21/2011/QD-TTg号に従い納税期限延長欄にマークして、誓約欄に納税期限延長を希望する旨を以下の通り、記入する。

●四半期申告のケース

  • 納税期限延長が認められない税額
  • 納税期限延長の税額
  • 納税期限延長の希望期間

●年末の法人税確定申告のケース
以下3点の内容に沿って確定申告より発生した差額を記入する。

  • 納税期限延長が認められない税額
  • 納税期限延長の税額
  • 納税期間延長の希望期間

インターネットで申告書を提出する企業のケース

申告書を作成する際は、決定Decision 21/2011/QD-TTg号に従い納税期限延長欄にマークして、インターネットで税務局に提出する。

企業が、納税期限延長の認められない税額および認められる税額の両方を申告する場合は、別途、納税期限延長希望(上記に示す3点の内容)の旨を明記した電子文書(電子署名付)を作成し税務局にe-mailで提出する。

企業が納税期限の延長希望を記入していない申告書を既に税務局に提出済みの場合、延長希望を記入した申告書を再作成し、税務局への再提出が認められる。

また、2011年中に延長された2010年度の第4四半期の予定申告納付額および2010年度の確定申告より発生した差額に対して、企業は2011年7月31日までに申告書を修正し税務局に再提出しなければならない。

3. 付加価値税 (VAT)

1.
非営利目的商品の付加価値税

非営利目的商品にかかる仕入付加価値税の支払に関する2011年7月12日付ビンズン省税務局発行のオフィシャルレターofficial letter 8467/CT-TT&HT号によると、外国人購入者から仕入れたサンプル品を顧客に提供する場合、企業はそのサンプル品購入費用にかかる仕入付加価値税を支払う必要はないとのこと。この取引形態の場合、企業は銀行から会計証憑の提供が行われないため、仕入付加価値税控除の資格がない。企業が当該サンプル商品を販売促進用に使用する場合は、仕入付加価値税の控除ができなくなる。但し、同条件下で仕入れた当該サンプル商品の輸入時にかかる輸入関税は、控除費用として認められる。

2.
購入済みの誤記載インボイスの訂正

購入済みの誤記載インボイスの訂正に関する2011年7月6日付ビンズン省税務局発行オフィシャルレターofficial Letter 7961/CT-TT&HT号によると、購入済みのインボイスに記載されている情報の内、会社の住所のみが誤っており、残りの情報全てが正しかった場合、購入者及び販売元の両者共に誤った住所について修正書類を作成すれば、当該誤記載インボイスを使って仕入付加価値税の控除申請を行う事が可能となる。

4. 外国契約者税 (FCT)

1.
外国契約者税額の算出

2011年6月8日付税務総局発行オフィシャルレターOfficial Letter 1947/TCT-CS号によると、ベトナム国内企業が外国企業と法人税及び付加価値税を含まない金額で外国契約者税の対象となる契約を締結した場合でも、ベトナム企業は外国企業に代わり外国契約者税を申告、納付する必要がある。法人税の税額算出売上(以下、課税標準という)と付加価値税の課税標準(法人税額も含む)は以下の通りに計算する必要がある。

  • 法人税の課税標準=法人税抜売上/(1-課税標準に対する法人税率)
  • 付加価値税の課税標準=付加価値税抜売上/(1-売上に対する付加価値税率×付加価値税率)
2.
海外販売仲介手数料の外国契約者税

2011年6月8日付ビンズン省発行のオフィシャルレターOfficial Letter 8091/CT-TT&HT号は、外国の企業へ支払う販売仲介手数料の税務政策について言及している。本オフィシャルレターによると、仲介業者として企業が商品の販売目的で外国企業と輸出契約を締結した場合、販売仲介手数料にかかる税務問題について留意する必要があり、前述の企業の場合、財務省の定めた現行の規定に従い外国契約者税が非課税となる。

5. 人事労務

1.
労働者に対する一時的業務停止

2011年4月4日付労働傷病兵福祉社会省発行のオフィシャルレターOfficial Letter 940/LDTBXH-LDTL号によると、労働者の違反行為の内容が複雑であり、その労働者が業務を継続すれば違反行為の審査が困難になるおそれがあると判断する場合、企業は社内の労働組合委員会と協議の上、当該労働者に業務を一時的に停止させることができる。一時的な業務の停止をさせる場合、その停止期間は15日を超えてはならず、また特別な事情がある場合であっても3ヶ月を超えてはならないとされる。業務停止期間の終了時に労働者の業務復帰は、認められている。

2.
ベトナム国内における外国人の採用・管理に関する政令Decree 34/2008/ND-CP号を修正・追加する新政令

2011年6月17日付で政府は、ベトナム国内における外国人の採用・管理に関する政令Decree 34/2008/ND-CP号を修正・追加する新たな政令Decree 46/2011/ND-CP号を発行した。留意すべきと考えられる内容は以下の通りである。

●現地で外国人労働者を採用時の採用公告

外国人労働者を採用する場合、最低でも採用日の30日以上前に、企業は、ベトナム人を対象として外国人労働者の採用予定職種に応じる募集を最低でも1紙の中央新聞および地方新聞に公告しなければならない(政府はベトナム人労働者を優先的に採用することを奨励する意向である)。新聞広告は、以下の規定を遵守する必要がある。

◇新聞の形態:

  • 新聞紙
  • テレビ
  • 電子新聞等の全ての形態

◇公告内容

  • 採用予定人数
  • 業務内容、職位
  • 給与及び手当
  • 必要学歴
  • その他内容(各企業による)

(政令Decree 34/2008/ND-CP号によると、企業は新聞広告の掲載は、中央新聞若しくは地方新聞のどちらかでなければならない。またベトナム人に限定して募集しなければならないということも定められていない。)

●労働許可証の再発給

外国人労働者は、以下の場合、労働許可証の再発給を受ける必要がある。

  • 労働許可証の紛失
  • 労働許可証の破損
  • 発給された労働許可証に記載されたパスポート番号若しくは勤務会社名に変更がある場合

労働許可の期間については、実際に労働に従事した期間が労働許可証の再発行時点から差し引かれ、期間の更新が行われる。

(政令Decree 34/2008/ND-CP号では、労働許可証の紛失と破損のケースのみが規定されている。)

●企業の登録義務

企業は、自社の外国人労働者の採用計画を、毎年書面で地方の労働傷病兵福祉社会局に登録する義務がある。登録内容は、以下の内容が含まれる。

  • 人数
  • 学歴
  • 実務経験
  • 給与
  • 勤務時間(開始時刻と終了時刻)

(政令Decree 34/2008/ND-CP号では、規定されていない。)

本政令は2011年8月1日より有効となる。

※本政令は内容が不明確な点が散見されるため、関連規定が今後も発行される事が考えられるため、引き続きフォローをして参ります。

CIT Corporate Income Tax
法人税
IZ Industrial Zones
工業団地
PIT Personal Income Tax
個人所得税
JVs Joint Venture Companies
合弁会社
VAT Value Added Tax
付加価値税
MoF Ministry of Finance
財務省
FCT Foreign Contractor Tax
外国契約者税
MoIT Ministry of Industry and Trade
商工省
FA Fixed Asset
固定資産
MoLISA Ministry of Labour, Invalids
and Social Affairs
労働傷病兵社会福祉省
GDC General Department of Customs
税関総局
MPI Ministry of Planning and
Investment
計画投資省
GDT General Department of Taxation
税務総局
OL Official Letter
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輸出加工企業
SBV State Bank of Vietnam
ベトナム中央銀行
EPZ Export Processing Zone
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SST Special Sales Tax
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