2011年11月30日号

日本語版PDF日本語版PDF ベトナム語版PDFベトナム語版PDF

右のPDFファイルより、ニュースレターの保存、印刷が可能です。
最新のAdobe Readerが必要です。

項 目

1. 法人税 (CIT)

1.
2011年法人税減税に関する2011年11月4日付政府発行政令Decree 101/2011/ND-CP号

2011年11月4日付で政府は、企業および個人に対する優遇税制に関する決議Resolution 08/2011/QH13号の詳細となる本政令を発行した。法人税優遇に関する内容は以下の通りである。

  • 中小企業、または従業員を大量雇用している企業は2011年の法人税減税を受けることができる。

    • 中小企業は2011年の法人税の30%減税を受けられる。但し、減税対象所得は、宝くじ、不動産、証券、財務、銀行及び保険に関連する営業活動、または特別消費税の課税対象となる商品およびサービスの製造・営業活動による所得を含まない。
    • 「中小企業」とは、2009年6月30日付政府発行政令Decree 56/2009/ND-CP号の第3条第1項に規定されている資本金と労働者の規模の企業のことである。
    • 農林水産業 、縫製業、皮靴業、電子部品の生産・加工及び経済・社会インフラ建設業の分野で活動する従業員を大量雇用している企業は、2011年の法人税の30%減税を受けられる。
    • 「従業員を大量雇用している企業」とは、2011年の総従業員数(労働契約が3ヶ月未満の従業員は含まれない)が300人超である企業のことである。
    • 「農林水産業 、縫製業、皮靴業、電子部品の生産・加工」は、2007年1月23日付政府首相発行決定Decision 10/2007/QĐ-TTg号に規定されている。
    • 企業は、減税される事業内容による利益と減税されない事業内容による利益を区別して計上する必要がある。区別して計上できない場合、減税される事業内容による利益は、減税される事業活動による売上と、2011年のすべての事業活動による売上の比率に基づいて算定される。
  • 同時に異なる優遇税制を受けている企業は、最も好ましい優遇税制を選択することができる。
  • 本政令によると、企業が現在法人税減税を享受している場合、減額できる法人税額は、減税した後の税額に基づいて決定される。

本政令は2011年12月20日より有効となる。

2.
2009年以前、以降の繰越欠損金に関する2011年11月23日付ビンズン省税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 16344/CT-TT&HT号

本オフィシャルレターによると、2009年以降に欠損金を計上している企業は、欠損金が発生した次年度以降から順次課税所得と相殺して繰り越さなければならない、5年を超えて繰り越すことはできない。2009年以前に発生した欠損金は、発生した時点の法令に従って、繰り越す。

特に2007年から2009年にかけて欠損金が発生し、2010年に課税所得が発生した場合、企業は2009年の欠損金を2010年の課税所得と相殺しなければならない。2007年、2008年の欠損金は、5年以内ならば繰り越し可能だが、2007年分に関しては2012年、2008年に関しては2013年を超えると繰り越すことができなくなる。

3.
2012年以降の輸出加工企業(EPE)に対する優遇税制の変化に関する2011年11月25日付ビンズン省税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 16473/CT-TT&HT号

本オフィシャルレターによると、企業が2000年に設立されたEPE(繊維業を除く)で2003年以降課税所得が発生し、また企業が投資ライセンス上で輸出比率に基づいた優遇税制を享受していた場合、2011年までは当該優遇税制を享受することができる。

企業が2000年の法人税に関する法令に従い優遇税制を享受する場合は、輸出比率の条件に加え、企業は工業団地の投資プロジェクトによって新たに設立された企業に要求される条件を満たさなければならない。その際、2000年7月31日付政府発行政令Decree No. 24/2000/ND-CP号に従い、企業は、課税所得が発生してから2年間法人税が免税され、続く3年間は法人税の50%が減税され、その後のプロジェクトの全期間において法人税率は15%となる。

2011年に企業の免税期間が終了するならば、2012年からプロジェクト終了までの間は、法人税率15%の優遇税率のみを享受することができる。

2. 個人所得税(PIT)

1.
企業が支払った外国人労働者の子供の学費に関する税制に関する2011年10月18日付ホーチミン市税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 8965/CT-TTHT号

本オフィシャルレターによると、法人税に関する2008年12月26日付通達Circular 130/2008/TT-BTC号と個人所得税に関する2009年3月27日付通達Circular 62/2009/TT-BTC号に基づいて、企業が駐在員の外国人従業員の子供のベトナムでの学費(高校までに限る)を支払う場合、もし企業が当該外国人と労働契約書を締結しなければ、その費用を損金算入することはできない。なお、当該外国人の個人所得税の課税所得を計算する際も、課税所得から控除することはできない。

2.
ベトナム非居住者である外国人の仲介報酬に対する個人所得税に関する2011年9月21日付ビンズン省税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 13136/CT-TT&HT号

本オフィシャルレターによると、企業がベトナムで仲介業務を行っているベトナム非居住者である外国人(個人)に仲介報酬を支払う場合、下記の税率で個人所得税を源泉徴収しなければならない。

  • 当該外国人が「商人」の場合:仲介報酬総額の5%
  • 当該外国人が「商人」ではない場合:仲介報酬総額の20%

商法に基づき、商人とは合法的に設立された法人並びに独立して継続的に商業活動を行う個人であり、商業登記しているものである。

3. 付加価値税(VAT)

1.
同一の販売者から同日に複数回の財の購入およびサービス提供を受けた場合の銀行送金資料に関する2011年11月18日付ビンズン省税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 16164/CT-TT&HT号

本オフィシャルレターによると、同一の販売者から、1回の財の購入及びサービス提供が2000万ドン(VND)以下、但し同日で複数回の取引による購入総額が2000万ドン(VND)以上の場合、インプットVATの控除を受けるためには、企業は銀行送金する必要があるとのこと。従って、企業は、同一の販売者からの同日の取引で発生したインボイス(領収書)が2000万ドン(VND)を超える場合、銀行送金の証憑を保持している場合のみ、インプットVATの控除が可能となる。

2.
私営企業から財の購入及びサービス提供を受けた場合の銀行送金資料に関する2011年11月22日付ビンズン省税務局発行Official Letter 16264 / CT-TT&HT号

本オフィシャルレターによると、企業は私営企業から財の購入及びサービス提供を受けた際、私営企業の口座ではなく、私営企業のオーナーの個人口座に銀行送金による支払いを行った場合、銀行送金として適切な支払方法とみなされない。そのため上記の支払方法に関連するインボイスは、インプットVATの控除を受けられない。

4. 外国契約者税(FCT)

1.
現地引渡輸出の場合の外国契約者税に関する2011年11月15日付ビンズン省税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 15985/CT-TT&HT号

本オフィシャルレターによると、外国企業がベトナム企業と加工委託契約を締結するが、ベトナム企業が製品を加工した後直接外国企業に輸出せずに、当該外国企業指定のベトナム企業(外国企業と販売契約を締結する)に搬入した場合(現地引渡輸出)、当該外国企業は販売契約に対して外国契約者税の納付対象となる(これは、商品の引渡場所がベトナム国内であるためである)。

当該商品を購入するベトナム企業は、外国企業に代わり外国契約者税を申告、納付する責任を負う。

2.
海外におけるマーケティング及び広告サービスに対する外国契約者税に関する2011年11月18日付ビンズン省税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 16157/CT-TT&HT 号

本オフィシャルレターによると、企業が海外におけるマーケティング及び広告サービスに関して海外企業と契約を結んだ際、これらのサービスはベトナムにおける外国契約者税の対象とはならない。

5. その他

1.
外国人労働者の労働許可証期限の延長に関する2011年11月3日付労働傷病兵社会福祉省発行Circular 31/2011/TT-BLDTBXH号

2011年11月3日付で労働傷病兵社会福祉省は、外国人労働者の採用・管理に関する2008年3月25日付政令Decree 34/2008/ND-CP号と2011年6月17日付政令Decree 46/2011/ND-CP号の実施ガイダンスとなる本通達を発行した。本通達によると、外国人労働者の労働許可証期限を延長するためには、以下の申請書類が必要である。

  • 現地採用の形態でベトナムで働く外国人労働者の場合
    • 労働許可証期限延長の申請書(所定書式)
    • 下記のいずれかのうち、外国人労働者が引き継ぐべきベトナム人労働者を教育することを証明する書類
  • 企業とベトナム人労働者間との間の訓練契約
  • 外国人労働者が引き継ぐべきベトナム人労働者の訓練計画実施を証明する文書(計画の必須内容:訓練を受けるベトナム人労働者の人数、業務、訓練期間、訓練形態、訓練場所および訓練方式)
    • 労働契約書のコピー
    • 発行された労働許可証
  • 社内異動の形態でベトナムで働く外国人労働者の場合
    • 労働許可証期限延期の申請書(所定書式)
    • 外国人労働者がベトナムで引き続き勤務することを証明する書類(任命書など)
    • 発行された労働許可証

本通達は2011年12月18日より有効となる。

2.
金融業者及び銀行の行政違反に対する処分に関する2011年10月20日付政府発行政令Decree 95/2011/ND-CP号

2011年10月20日付で政府は金融業者、銀行業者の行政違反に対する処分に関する政令Decree 202/2004/ND-CP号の一部修正・捕足として本政令を発行した。以下に同政令の主な内容をまとめる。

◆政令Decree 202/2004/ND-CP号第18条「外貨管理および金(ゴールド)管理体制の違反」第3項、5項及び7項に以下のように修正・追加する。

第3項. 以下のいずれかの違反行為を犯した場合、5000万ドン~1億ドンの罰金を科す。

  1. ベトナム国内で外貨によるファイナンスリース又は債務決済を法令に従って行わない行為。
  2. 本条第6項に定める場合(外貨を持ってベトナムから出入国する個人及び組織が税関法の規定に従わない場合、税関に関する行政違反に対する処分を受ける)を除き、海外送金(ベトナムから海外へ、その逆もまた然り)を法令に従って行わない行為。
  3. 外貨による外国人との商品販売代金、サービス対価の支払を法令に従って行わない行為。
  4. 外貨売買及び外貨決済を法令に従って行わない行為。
  5. 金(ゴールド)による商品売買代金、サービス対価の支払を法令に従って行わない行為。
  6. 金(ゴールド)の売買を法令に従って行わない行為。

第5項. 以下のいずれかの違反行為を犯した場合、3億ドン~5億ドンの罰金を科す。

  1. 管轄機関発行ライセンスを取得しない、またはライセンスの有効期限が切れている、または一時的に中止になっているにもかかわらず、外貨取引活動を行う行為。
  2. 管轄機関の許可を得ずに海外送金サービスを行う行為。
  3. 中央銀行発行の輸出入ライセンス無しで外貨及び金(ゴールド)の輸出入を行う行為。
  4. 商品、サービス、土地使用権の外貨あるいは金(ゴールド)による価格提示または広告を法令に従って行わない行為。

第7項. 処罰形態の追加

  1. 本条第3項の2、4、5、6に定める違反行為を犯した場合、当該取引金額を外貨、ベトナムドンまたは金で回収する。
  2. 第3項の4を初めて犯した場合、両替代理店ライセンスを12ヶ月以内に一時的に剥奪し、再犯の場合は両替代理店ライセンスを永遠に剥奪する。
  3. 第3項の6を初めて犯した場合、ビジネスライセンスを12ヶ月以内に一時的に 剥奪し、再犯の場合はビジネスライセンスを永遠に剥奪する。
CIT Corporate Income Tax
法人税
IZ Industrial Zones
工業団地
PIT Personal Income Tax
個人所得税
JVs Joint Venture Companies
合弁会社
VAT Value Added Tax
付加価値税
MoF Ministry of Finance
財務省
FCT Foreign Contractor Tax
外国契約者税
MoIT Ministry of Industry and Trade
商工省
FA Fixed Asset
固定資産
MoLISA Ministry of Labour, Invalids
and Social Affairs
労働傷病兵社会福祉省
GDC General Department of Customs
税関総局
MPI Ministry of Planning and
Investment
計画投資省
GDT General Department of Taxation
税務総局
OL Official Letter
オフィシャルレター
EPE Export Processing Enterprise
輸出加工企業
SBV State Bank of Vietnam
ベトナム中央銀行
EPZ Export Processing Zone
輸出加工区
SST Special Sales Tax
特別売上税