2012年8月31日号

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項 目

1. 法人税

1.
財務省発行Circular 123/2012/TT-BTCの新規定

Circular 123/2012/TT-BTCは2012年09月10日から有効となり、2012年度から適用される。

  • 損金不算入項目:

    • 退職給付引当金は損金算入することが出来ない(失業保険の加入対象外の企業を除く)。
    • 製造に係る原材料の消費量を申告していない場合、税務調査の際に税務当局がみなしで消費量を決定し、損金算入限度額が定められ、限度額を超えた分に関しては損金否認される。
  • 損金算入項目:

    • 期限切れや自然老化による不良品(賠償等のあるものを除く)の評価損は法人税計算上損金に算入される。
    • 労働者のための食堂、休憩室やその他設備・内装品等が固定資産の条件を満たす場合、当該資産の減価償却費は損金に算入される。
    • 採用条件や金額が雇用契約書等に明記される場合の労働者に対する生命保険料は損金に算入される。
    • 出張のための航空券をインターネットで購入する場合、eチケット、搭乗券及び支払証憑が揃っていれば当該航空券代は損金に算入される。
    • 固定資産の条件を満たさない工具・器具の取得原価は最大2年間に配分し損金算入できる。
    • 保険業や連鎖販売業において、ディストリビューターに対し支払う手数料は、損金算入が制限される広告宣伝費及び販売促進費に当たらないため、全額損金算入できる。
  • 法人税優遇制度

    • 事業分野追加または事業規模拡大を行う企業の場合、追加分野または規模拡大から得られる収入は法人税優遇を受けられない。
    • 2009年以降に新製品ラインの設置、規模拡大、技術改善、環境保護や生産能力向上等のプロジェクトを行っている企業の場合、当該プロジェクトから得られる収入は法人税優遇を受けられない。
    • 法人税の税務申告年度を変更する場合(会計年度から暦年に変更すること、またその逆も含む)、変更後の課税期間は12ヶ月を超えることができない。この場合、法人税優遇制度を受けている企業は、法人税の税務申告年度の変更に当たり、以下の二つの選択肢がある。
    • たとえ変更後の課税期間が12カ月未満であったとしても変更年度に法人税優遇を受ける。
    • 課税期間が12カ月未満になってしまうため、変更年度は通常の税率で納税し、翌年度に法人税優遇を受ける。
  • 繰越欠損金:

    • 法人税確定申告にあたり、欠損金が出ている場合、翌期以降の課税所得に当該欠損金を繰り越すことができる。繰越可能期間は欠損金発生年度から5年間以内である。
    • 企業は欠損金が出た場合、欠損金を次期四半期に一時的に繰り越すことができ、当該年度末の確定申告でまだ欠損金が残っていた場合、次年度に繰り越し、次年度の益金を減額することができる。
2.
社員の携帯電話通信費の計上方法

2012年05月18日付ホーチミン市税務局発行Official Letter 1685/TCT-CS号によると、2008年12月26日付財務省発行Circular 130/2008/TT-BTC号に基づき、事業活動のための携帯電話通信料を支払う場合、レッドインボイスに会社名が記入されていれば、当該携帯電話通信料は損金に算入される。また、企業は社員の携帯電話通信料を定額で支払うことを労働契約に記載した場合、当該費用は社員に対する手当とされ、法人税計算の際、控除される。

3.
付加価値税控除及び損金算入

2012年08月08日付ビンズン省税務局発行Official Letter 7942/CT-TT&HT号によると、2010年09月28日付財務省発行Circular 153/2010/TT-BTC号に基づき、企業が法律上外貨での決済が許可されていない国内法人・個人と取引を行い、インボイスを受領する際、VNDで支払いを行ったが、当該VATインボイス上には外貨及びVNDへ換算用の為替レートが記入されていた場合、当該VATは還付されず損金に算入することができない。

2. 個人所得税

1.
社員の携帯電話通信料にかかる個人所得税の政策

2012年05月18日付ホーチミン市税務局発行Official Letter 1685/TCT-CS号によると、2009年03月27日付財務省発行Circular 62/2009/TT-BTC号に基づき、会社が社員の携帯電話通信料を定額負担することが労働契約に明記され、取締役会・社長・社員総会の決定によって実施される場合、当該携帯電話通信料は個人所得税の課税対象外となる。尚、実際の支払金額が規定の額を超えた場合、超過分は課税所得に加えられる。

2.
外国人の個人所得確定申告

2012年6月18日付ホーチミン市税務局から発行Official Letter 4634/CT-TTHT号によると、2008年09月30日付財務省発行Circular 84/2008/TT-BTC号に基づき、居住者である外国人は帰国する前に個人所得税確定申告を行わなければならない。課税年度にベトナム居住者でない外国人は個人所得税確定申告を行う義務がない。

3. 外国契約者税

1.
借入利息にかかる外国契約者税

2012年08月13日付ビンズン省税務局発行Official Letter 8072/CT-TTHT号によると、外国契約者税に関する2012年04月12日付財務省発行Circular 60/2012/TT-BTC号に基づき、企業は、金融機関でない外国法人あるいは個人より2007年以降に借入契約を結締していた場合、2012年03月01日以降借入利息に掛かる外国契約者税を貸出側の代行として、下記の通りに申告・納付しなければならない。

  • 付加価値税:
    付加価値税納付額=課税所得×課税割合(50%)×付加価値税率(10%)
  • 法人税:
    法人税納付額=課税所得×法人税率(5%)
2.
技術支援のために来越する外国人専門家の飛行機代、生活費に係る税額

2012年08月17日付ビンズン省税務局発行Official Letter 8463/CT-TT&HT号及び2010年05月19日付Official Letter 4594/CT-TT&HT号によると、企業は外国企業との同意書に基づき、技術支援または新規事業設立のために来越する外国人専門家の飛行機代、生活費、交通費を負担することができる。また、相互の合意によって、外国企業が諸費用を立て替え、その後、立て替えられた諸費用をまとめ、当該インボイス(企業名義のインボイス及び外国相手名義のインボイス)と共に請求書を企業宛に発行する。この場合、上記の諸費用はベトナムにおける外国企業の所得とみなされるため、外国契約者税の課税対象となる。それゆえ企業は外国企業の代行として当該付加価値税・法人税の登録・申告・納付を義務付けられる。

4. 付加価値税

1.
輸出加工企業の付加価値税

2012年08月13日付ビンズン省税務局発行Official Letter 8073/CT-TT&HT号によると、2012年01月11日付財務省発行Circular 06/2012/TT-BTC号に基づき、輸出加工企業は輸出加工企業に商品を販売する場合、当該商品は付加価値税の非課税対象となる。
また、国内市場に商品を販売する場合、当該商品は付加価値税の課税対象となる。なお、国内に販売する場合に関し、2008年03月19日付政府発行Decree 29/2008/ND-CP号第2条6項に基づき、企業は輸出加工企業では無いとみなされ、法人税優遇及び輸出加工企業のみに適用されるその他の規定を適用することができず、投資許可証発行元の管理局に事業内容の変更を報告しなければならない。

2.
輸入税及び輸入商品にかかる付加価値税

2012年08月20日付税関総局発行Official Letter 4366/TCHQ-TXNK号によると、2010年12月06日付財務省発行Circular 194/2010/TT-BTC号を基づき、輸出加工企業は販売目的で商品を輸入し、政府に規定された輸入及び卸売を行う場合、輸入税・付加価値税、また必要な場合は特別消費税が課される。

なお、企業は自らの生産活動のためではなく、商品を輸入・納税し、他の輸出加工企業に販売し、その企業がその商品で製品を製造し、輸出する場合、輸入の際に納税された税金は還付される。

5. その他

1.
税務局へ発行通知前に使用されたインボイス

2012年08月01日付税務総局発行Official Letter 2752/TCT-CS号によると、2010年05月14日付政府発行Decree 51/2010/ND-CPに基づき、管轄の税務局にインボイス発行に関する通知を行う前にインボイスが使用された場合において、たとえ販売取引が行われ、支払証憑があったとしても、販売者が税務申告を行った場合は政府発行51/2010/ND-CP号7条33項に基づき罰則の対象となる。販売者は規定通り、インボイス発行について管轄の税務局へ通知を行い、発行通知前に使用されたインボイス番号を申告しなければならない。

2.
外貨建ての付加価値税インボイス

2012年08月08日付税務総局発行Official Letter 2846/TCT-CS号によると、2010年09月28日付財務省発行Decision 153/2012/TT-BTC号及び2012年04月03日付Official Letter 4355/BTC-TCT号に基づき、法律規定によって商品販売の際に売上代金を外貨で回収することが許可される企業は付加価値税インボイスを外貨建てで記入することができる。
外貨建てで、商品販売・サービス提供に対するインボイスを作成する場合、単価・合計や付加価値税等の項目に外貨で記入し、文字により金額を記入する欄にベトナム語で記入し、インボイス作成時点におけるベトナム中央銀行発表のインターバンクレートを明記しなければならない。