2012年9月30日号

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項 目

1. 法人税

1.
個人に支払うサービス料の損金算入

2012年9月19日付ビンズン省税務局発行Official Letter 9674/CT-TT&HT号によると、企業が事業活動のために個人とサービス提供契約を締結する場合、当該個人に支払うサービス料は損金算入可能である。損金算入するためには、企業と個人のサービス契約書および当事者が署名した出金伝票が必要である。なお、2011年8月4日付財務省発行Office Letter 113/2011/TT-BT号1条によると、企業は当該個人の個人所得税を源泉徴収しなければならない。

2.
クーポンの損金算入

2012年8月27日付ホーチミン市税務局発行Official Letter 6433/CT-TTHTによると、2012年1月1日から企業が従業員の昼食費として現金支給を行う代わりに60万ドン分のクーポンを与える際、これを労働契約書上明記されており、且つ未使用の食事券を現金へ換金することが不可である場合は、当該クーポンは現金費用と見なされ、損金算入可能である。またインボイスも不要である。

2. 個人所得税

1.
二重課税防止条約締結国での納付済税額の控除手続き

2012年8月09日付総税務局発行Official Letter 2836/TCT-TNCNによると、ベトナム居住者であり、一カ国で所得を得るが、二カ国(ベトナム及び二重課税防止条約締結国)で個人所得税を申告しなければならない個人の場合、下記のいずれかのオプションを選択し、上記条約締結国で納付した税額をベトナムの税額計算時に控除できる。

オプション1
2011年2月28日財務省発行Circular 28/2011/TT-BTC号37条3項によると、個人は年末に海外での納税額をベトナムの税額から一度だけ控除できる。また当該個人が企業に確定申告を委任する場合、企業は当該個人の代わりに確定申告を行い、海外で納付した税金の控除申告書を税務局に提出しなければならない。

オプション2
企業が月次の個人所得税から海外で月次納付した控除可能な税額を控除する。当該控除を行うためには海外での個人所得税の申告書が必要である。当月の控除可能な額は同年度の他の月へ繰り越すことが出来る。2011年2月28日付財務省発行Circular 28/2011/TT-BTC号37条4項 によると、当該個人が企業に確定申告を委任する場合、企業は当該個人の代わりに確定申告を行い、海外で納付した税金の控除申告書を税務局に提出しなければならない。

2.
個人所得税計算用の為替レート

2012年7月9日付ホーチミン市税務局発行Official Letter 6805/TCT-TNCNによると、従業員に対し外貨建で給与を支払う場合、企業は個人所得税の計算のため所得発生日の銀行間為替レートでベトナムドン換算する必要がある。銀行間為替レートがない場合は、銀行間為替レートが発表されている他の外貨を通じてベトナムドンに換算しなければならない。(ベトナム中央銀行ホームページに公表されている輸出入税計算用の為替レートを利用できる)

3.
社会保険局より給付される出産手当にかかる個人所得税

2012年9月24日付税務総局発行Official Letter 3367/TCT-TNCN号によると、社会保険局より給付される手当等は個人所得税の課税所得とならない。そのため、社会保険局より給付される出産手当も、個人所得税の課税対象外となる。

3. 付加価値税

1.
本店所在地外での通常取引外の販売活動に掛かる付加価値税

2012年08月21日付税務総局発行Official Letter 3000/TCT-TNCN号によると、企業が本店所在地外で通常取引外の販売活動を行う場合、本店の10桁の税コードを使用し、当該販売活動を行う地域の税務局で以下の通り暫定税額を納付する。

  • 付加価値税が10%課される商品、サービスに対しては売上の2%(付加価値税抜)を納付する。
  • 付加価値税が5%課される商品、サービスに対しては売上の1%(付加価値税抜)を納付する。

当該地域で納付した税額は本店の税務局で納付する税額から控除可能である。

2.
外資系企業へ提供するコンサルティングサービスに掛かる付加価値税

2012年09月07日付ホーチミン税務局発行Official Letter 6780/TCT-CS号によると、外資系企業がベトナム各企業と売買取引を可能にするため、ベトナム企業とコンサルティング契約を締結する場合、外資系企業は当該ベトナム法人を通じてベトナムに恒久的施設を有しているとみなされるため、当該コンサルティングサービスの提供に対して10%の付加価値税が課される。

4. 公式領収書

1.
公式領収書の発行及び使用手続き

2012年08月21日付税務総局発行Official Letter 3000/CT-TT&HT号によると、企業の支店が公式領収書、出庫票、内部運送書類を本店と共用する場合、公式領収書の発行報告書を税務局に送付しなければならない。また支店間で商品を輸送する場合は、出庫票・内部運送及び企業の公式領収書を使用する。尚、支店は地方の税務局に発行報告を送付しなければならない。

2.
公式領収書を記入する際の省略語

2012年9月7日付ホーチミン市税務局発行Official Letter 5166/CT-TT&HT号によると、公式領収書に記入を行う際、原則的には営業許可書と同じ会社名を使用しなければいけない。しかし例外として35文字に制限されたソフトウェアで印刷を行う場合で、且つ会社名または住所が記載できない場合は、略記することが可能である。例えば、‘Công ty’であれば‘Cty’、‘Phường’及び‘Quận’であれば‘P’及び ‘Q’を用いることが出来る。

3.
声調記号が記載されていない公式領収書

2012年9月6日付ホーチミン市税務局発行Official Letter 6735/CT-TT&HT号によると、多国籍企業グループに属し、グループ共通のソフトウェアを用いて公式領収書が印刷されているため、ベトナム語の声調記号が記載されていない場合で、ソフトウェアの修正が困難な場合、企業は声調記号がないベトナム語を使用して公式領収書を発行することが出来る。しかし、使用する前に税務局へ申告書を提出しなければならず、内容の正確性に対して責任を持ち、誤解を招かないように留意しなければならない。

5. その他

1.
独立支店への税コード付与

2012年08月21日付税務総局発行Official Letter 3000/TCT-CS号によると、独立支店が商品販売権を付与された場合、印鑑及び法人格を所有していなければ、親会社の印鑑を共用し、親会社機能を行使できる。この親会社機能は代表権をも含み、また13桁の税コードの発行も不要である(100%外資企業の場合は、企業登録及びガイドラインに関する2010年4月15日付政府発行議定 Decree43/2010/ND-CP号に従い、施行されない)。2012年7月1日以降は2012年5月22日付財務省発行Circular80/2012/TT-BTCに従い、企業は税コード登録手続き実施する。

2.
企業および個人に対する優遇税制

2012年8月21日付で財務省は、2012年の法人税減税及び個人所得税免税に関する2012年7月30日付政府発行Decree 60/2012/ND-CP号の実施ガイダンスとなるCircular 140 /2012/TT-BTC号を発行した。本Circularの主な内容は下記の通りである。

  1. 2012年法人税30%減税

    • 中小企業(宝くじ、不動産、証券、財務、銀行、保険に関連する事業、特別消費税の課税対象となる商品およびサービスの製造・販売を実施している企業は含まれない)及び2012年の平均従業員数(労働契約が3ヶ月未満の従業員は含まれない)が300人超で農林水産、縫製、皮靴製造、電子部品製造および経済・社会インフラの整備・建設関連企業。
    • 他企業の労働者に対して食事を提供する企業の2012年度の法人税は免税される。
    • 減税及び免税適用対象条件:ベトナム法律に従い設立され、法律で規定された会計制度を適用していなければならない。法人税法および各関連法規に基づき法人税優遇措置を享受している企業の場合、本Circularに定められる減税は、現在適用されている法人税優遇措置により減税された税金を差し引いた後の税額に対し当該減税が適用される。
    • 他企業の労働者に対して食事を提供する企業は当該Circularの規定された第2条に従い、2012年の食事提供価額は2011年12月時点の価額を維持しなければいけない。
  2. 個人所得税

    • 2012年7月1日から12月31日の期間において、個人所得税法に定められている累進税率表のレベル1(各種控除後の課税所得が月500万ドン以下)に該当する個人は、個人所得税の免税を享受できる。企業は、2012年7月1日から12月31日の期間において当該個人の個人所得税の源泉徴収を行わない。
    • なお、個人所得税法に定めている累進税率表のレベル2以上に該当する課税所得を得る個人の場合、累進税率表に基づいて源泉徴収・納税を行わなければならない。また、レベル1に該当する課税所得の個人所得税分も免税されない。