2013年9月30日号

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項 目

1. 法人税

1.
労働法の規定を超える残業手当対する法人税法及びる労働法上の取扱い
  • 労働法上の残業上限
    雇用主及び労働者は、1日に4時間以内及び1年間に200時間を超えない範囲内において、追加の労働時間に関する合意が認められている。ただし政府は、ベトナム労働総同盟及び雇用側の代表者双方の意見をまとめ、1年間に300時間を超えない範囲内において、 例外規定を定めることができる 。
  • 法人税法上の取扱い
    上記規定を超える残業時間が発生する場合、当該残業手当は企業のビジネスに直接関連があることから、労働契約書や労働協約等において規定されていれば、法人税計算上損金算入することが可能である。
  • 労働法上の取扱い
    労働法上、企業が上記規定を超えた残業を行う場合、特別な条件を満たさなければならない。また、市省の人民委員会及び関連機関に残業の登録書、残業に関する労働者との合意書及び残業計画の説明書を提出し、承認を得る必要がある。規定の通り残業を登録しない場合、労働法上の罰則が科される。

(2013年8月20日付のビンズォン市市税務署発行のオフィシャルレター9771/CT-TT&HTより)

2. 外国契約者税

1.
債務を相殺した場合の外国契約者の申告期間

外国契約者税の申告期限は、ベトナム企業が外国企業への支払を実施した日付より10日以内である。一方、債務を相殺した場合は支払が発生しないことから、どの時点が申告期限であるかが論点となる。この点、当該オフィシャルレターは、その申告期限は実質的に支払いと同様の効果が生じる相殺実施日(相殺契約書上の相殺実施日)より10日以内であるとしている。
(2013年8月19日付のホーチミン市税務署発行のオフィシャルレター5490/CT-TTHTより)

3. 会計

1.
会計及び独立監査に係る行政処分に関する政令105/2013/ND-CP 号について

会計の分野に関する罰金の最大額は、個人は3,000万ドン、組織は6,000万ドンである。
同様の違反行為であっても、組織に対する罰金は個人の場合の2倍となる。
また、会計証憑に関する違反行為に対する罰金の最低額が以前より引き上げられた。具体的には、下記の通りとなる。

  • 虚偽或いは他人への虚偽・偽証の強制行為に対する罰金:2,000万ドン~3,000万ドン(以前は1,000万ドン~3,000万ドン)
  • 内容の不足または署名権がない場合の会計証憑への署名:500万ドン~1,000万ドン(以前は200万ドン~1000万ドン)

(2013年9月16日付政府発行の政令105/2013/ND-CPより)
本政令は2013年12月1日より有効となり、2004年11月4日付政令Decree 185/2004/ND-CP号、2011年5月26日付政令Decree 39/2011/ND-CP号に代わる。

4. 労働

1.
外国労働者に関する政令Decree 102/2013/ND-CPについて

2013年9月5日付で政府は、ベトナムで就労する外国人労働者に関する労働法の一部の詳細規定及び実施ガイダンスに関する政令Decree 102/2013/ND-CP号を発行した。その主な留意点は以下の通りである。

  • 外国人労働者の雇用予定人数の報告
    企業は毎年、ベトナム人労働者で代替できない業務に関する外国人労働者の雇用予定人数を確認し、企業の本社が所在する省または市の人民委員会主席に報告書を提出する必要がある。当該報告書を提出した後、外国人労働者の雇用予定人数を変更したい場合、当該省または市の人民委員会主席に報告する必要がある。省または市の人民委員会主席は企業の報告書を検討し、文書で外国人労働者の雇用を承認する。
  • 労働許可書免除の対象者

    • ベトナムのWTOサービス分野公約に規定されたサービス業の範囲内で、企業内異動としてベトナムで勤務する外国人。(同公約に定められたサービス業には、実務サービス、情報サービス、建設サービス、流通サービス、教育サービス、環境サービス、金融サービス、医療サービス、観光サービス、文化及び娯楽サービス、運輸サービスが含まれている。)
    • 政府開発援助(ODA)案件の支援のため、技術・専門コンサルティング等を目的としてベトナムで勤務する外国人。
    • ボランティア
    • 国際協定の実施を目的としてベトナムで勤務する外国人

    また、企業は、上記に該当する外国人労働者の勤務開始日の7営業日前までに、勤務する外国人労働者が労働許可書免除対象者であることの確認書を、労働傷病兵社会福祉局に申請する必要がある。

  • 外国人労働者の勤務予定場所がベトナムの2以上の省または市である場合、企業の本社が所在する労働傷病兵社会福祉局に労働許可書発行申請書を提出する。
  • 労働許可書の有効期間は最大2年間である。
  • 外国追放
    労働許可書が必要でありながら有していないベトナムで働いている外国人労働者は、ベトナム法規に従って外国追放される。
    労働傷病兵社会福祉局は、ベトナムで働いている外国人労働者が労働許可書を有していないとの確認日から15日営業日以内に、警察官に当該外国人労働者の外国追放を要求する。

本政令は2013年11月1日より有効となり、2008年3月25日付政令Decree 34/2008/ND-CP号、2011年6月17日付政令Decree 46/2011/ND-CP号に代わる。本政令の施行日の時点で有効な労働許可書については、新しい労働許可書に変更する必要がない。

2.
労働及び社会保険の分野における行政違反 処罰に関する政令Decree 95/2013/ND-CP号について

2013年8月22日付で政府は、労働及び社会保険の分野における行政違反処罰に関する政令Decree 95/2013/ND-CP号を発行した。その主な留意点は以下の通りである。

  • 労務関連

    - 企業は下記の行為に対して2000万ドン~2500万ドンの罰金が科される。

    + 労働者の本人確認書類、学位記、証明書等を保持すること

    + 労働者の労働契約書の実行を担保するために、労働者の現金或いは所持品を保持すること

    - 企業は、労働許可書が必要でありながら有していない、または期限切れ労働許可書を使用している労働者を雇用する場合、下記の罰金が科される。

    + 当該労働者を1名~10名雇用している場合:3000万ドン~4500万ドン

    + 当該労働者を11名~20名雇用している場合:4500万ドン~6000万ドン

    + 当該労働者を21名以上雇用している場合:6000万ドン~7500万ドン

    なお、上記の罰金が科される以外に、当該労働者を雇用する企業は、業務を1ヶ月~3ヶ月停止される可能性がある。

    - 企業は下記の行為に対して1000万ドン~1500万ドンの罰金が科される。

    + 労働組合の設置を阻止すること

    + 労働者に労働組合の設置・加入・活動参加を強制すること

  • 社会保険関連

    - 企業は強制社会保険及び失業保険に係る保険料を滞納する場合、当該保険料の滞納総額の12%~15%の罰金が科される。しかし、当該罰金は7500万ドンを超えない。(旧規定では、当該罰金は滞納総額の0.05%/日であり、3000万ドンを超えない金額と規定されていた。)

    - 社会保険料を規定以外の目的に利用した場合、2000万ドン~3000万ドンの罰金が科される。(旧規定では、当該罰金は600万ドン~1000万ドンと規定されていた。)

本政令は2013年10月10日より有効となり、2010年5月6日付政令Decree 47/2010/ND-CP号、2010年8月13日付政令Decree 86/2010/ND-CP号、2007年9月10日付Decree 144/2007/ND-CP号に代わる。

5. その他

1.
会社名及び住所が省略されたインボイスの取扱い

2013年8月29日付ホーチミン市税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 6167/CT-TTHT号によると、VATインボイスに記載される買手企業及び売手企業の会社名及び住所は、当該企業の投資証明書及び税コード登録証明書に記載される当該内容と一致する必要がある。会社名及び住所が長すぎる場合は、ベトナム語でよく使用される略語を使用することができる。例えば、「Thanh pho Ho Chi Minh」(ホーチミン市)は「TP.HCM」、「Viet Nam」(ベトナム)は「VN」に省略できる。また、企業の会社名及び住所が上記のように省略されたインボイスを、企業は付加価値税及び法人税を申告する際に使用できる。