2014年1月号

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項 目

1. 法人税

1.
政令218/2013/ND-CP号に従う工業団地における新規投資プロジェクトに関する法人税優遇

法人税法の詳細規定及び実施ガイダンスに関する2013年12月26日付政令Decree 218/2013/ND-CP号によると、経済状況が良好な地域(詳細は下記*にて説明)以外の工業団地における新規投資プロジェクトの実施による所得については、規定年(詳細は下記**にて説明)より2年間法人税を免除され、その後4年間の法人税が50%減額される。

経済状況が良好な地域とは、以下のとおりである。

  • ハノイ市とホーチミン市の2市の市内地区
  • Hai Phong市、Da Nang市、Can Tho市の3市の市内地区
  • Hue市、Vinh市、Da Lat市、Nha Trang市、Quy Nhon市、Buon Me Thuot市、Thai Nguyen市、Nam Dinh市、Viet Tri市、Vung Tau市、Ha Long市

良好な経済状況の地域とその他の地域の双方に位置する工業団地の場合、その他地域内の面積が良好な経済状況の地域内の面積より大きい場合には、上記の優遇税制を適用できる。

**規定年とは、課税所得の発生初年度である。また、企業は売上高の発生初年度から3年以内に課税所得を有しない場合、規定年は売上高の発生初年度から4年目となる。

本政令は2014年2月15日より有効となり、2014年の事業年度より適用される。

2. 付加価値税

1.
2014年1月1日より有効となる改正付加価値税法の規定の実施ガイダンスに関するオフィシャルレターOfficial Letter 18128/BTC-TCT号

2013年12月27日付で財務省は、2014年1月1日より有効となる改正付加価値税法の規定の実施に関するオフィシャルレターOfficial Letter 18128/BTC-TCT号を発行した。その主な内容は下記の通りである。

  • 2014年1月1日より直接方式で付加価値税(“VAT”)を申告・納税する企業は、VATインボイスではなく、売上インボイスを使用しなければならない。当該企業の売上インボイスの印刷が2014年1月1日からの使用開始に間に合わない場合、税務局から2014年1月及び2月に使用するための売上インボイスを購入しなければならない。
  • 2013年度の売上高が10億ドン以上の企業は暦年の2014年及び2015年において、控除方式でVATを申告納付する。 ただし、暦年の2014年及び2015年に控除方式でVATを申告納付しているが、税務査察で当該企業の2013年の売上高が10億ドン未満と確認された場合には、暦年の2014年及び2015年に直接方式に変更する必要がない。しかし、この場合、2016年及び2017年のVAT申告・納税方式を選択する際には、2015年の売上高を計算するために税務査察を受けなければならない。

3. 個人所得税

1.
2013年の個人所得税確定申告書の実施ガイダンスに関するオフィシャルレターOfficial Letter 336/TCT-TNCN号

2014年1月24日付で税務総局は、2013年度の個人所得税確定申告の実施ガイダンスに関するオフィシャルレターOfficial Letter 336/TCT-TNCN号を発行した。その主な留意点は以下の通りである。

  • 個人所得税確定申告書類の提出期限は2014年3月31日である。
  • 2013年において賃借期間が183 日以上の賃貸契約に基づく居住目的として賃借された住居がある者はベトナムの居住者として取り扱われ、2013年度の個人所得税確定申告対象に該当する。
  • 確定申告の委任
    所得を支払った組織と3ヶ月以上の労働契約を締結し、かつ確定申告を委任する時点で当該組織で働いていた個人は、下記条件の一つを満たせば、当該組織に確定申告を委任することができる。

    • 2013年に当該組織からのみ給与・報酬による所得を受領した。
    • 当該組織が支払った所得以外の所得を平均月額10,000,000ドン以下で有し、かつ当該組織が支払った所得以外の所得が税率10%~20%で源泉徴収された。
    • 住宅賃貸、土地使用権賃貸による所得を平均月額20,000,000ドン以下で有し、かつ住宅賃貸、土地使用権賃貸による所得に対して個人所得税を納税した。

    なお、上記委任に従い当該組織が個人所得税を確定申告した後に、委任した個人が税務局に別途個人所得税を確定申告する必要があると認識した場合でも、当該組織は、税務局に提出済みの確定申告書を修正する必要はない。また、個人が税務局に直接確定申告できるよう、当該組織は確定申告した税額を明記した個人所得税控除書類を当該個人に提供しなければならない。

  • 扶養控除の計算
    扶養控除は扶養義務が発生した月より起算される。扶養者登録書類に扶養義務発生時点を誤って記入した場合、確定申告の際に扶養義務発生時点を再登録することができる。
    特に、扶養者が兄弟姉妹、祖父母、叔母などである場合、2013年12月31までに登録しなければならない。期限が過ぎても登録していない場合、2013年度の扶養者として認めない。
  • 純所得から課税所得への計算(グロスアップ)
    • 2013年1月~2013年6月:通達Circular 84/2008/TT-BTC 号及びガイダンス文書に従う実施する。
    • 2013年7月~2013年12月:通達Circular 111/2013/TT-BTC号の第7条第4項目に従う実施する。
  • 確定申告の書類
    2013年度の個人所得税申告書は通達Circular 28/2011/TT-BTC 号のフォームに従う実施する。

4. その他

1.
移転価格の事前確認(APA)方法の実施ガイダンスに関する通達Circular 201/2013/TT-BTC 号

税務管理法に基づく移転価格の事前確認(APA)方法の実施ガイダンスに関する2013年12月20日付財務省発行通達Circular 201/2013/TT-BTC号によると、APAを適用した場合、市場価格に基づく課税方法又は課税価格は、企業・税務官庁間の相談・交渉をベースに決定される。

  • 適用対象
    • 企業の関連組織或いはさまざまな地域で活動する経済グループ (多国間、地域を含む)
    • 企業の恒久的施設及び親会社
  • APA適用される取引
    関係者間の交換、リース、商品・サービスの譲渡などの取引
  • APAの有効期間

    • APAは納付者の法人税申告書提出前に確立されていなければならない。
    • APA の有効期間は最大5年。さらに5年の延長が可能である。

本通達は2014年2月5日より有効となる。

2.
現金での支払いに関する政府発行政令Decree 222/2013/ND-CP号

現金での支払に関する2013年12月31日付政府発行政令Decree 222/2013/ND-CP号によると、以下の金融取引については現金使用が許可されない。

  • 企業への出資、企業に払い込んだ資本の売買・譲渡
  • 信用機関ではない企業間の金銭賃貸借

本政令は2014年3月1日より有効となり、政令Decree 161/2006/ND-CP号に代わる。