右のPDFファイルより、ニュースレターの保存、印刷が可能です。
最新のAdobe Readerが必要です。
お客様各位
いつもご愛読いただき有難うございます。
最近、個人所得税の計算に関して、ネット所得からグロス所得へのグロスアップ計算において、ベトナム国外で加入している強制保険料の控除が、一部の管轄地方税務署(ホーチミン市、ドンナイ省、バリアブンタウ省)にて認められない事例がございましたので、取り急ぎ現状の最新情報を提供させていただきます。
税務総局は2014年1月24日付で、「2013年度の個人所得税確定申告実施ガイダンスに関するオフィシャルレター336/TCT-TNCN号」を発行した。留意点は以下の通りである。
一方、2013年7月から2013年12月末まで発生した所得に対しては、財務省発行通達111/2013/TT-BTC号(2013年8月15日付)の規定を適用する事となるが、本通達ではグロスアップ計算式が明確に記載されている。
グロスアップ計算対象所得 = ネット所得 + 代納金額 - 控除額
なお、上記式の控除額は、基礎控除額、扶養控除額、強制保険額、任意年金ファンド拠出額、慈善基金、人道基金及び学習奨励基金への寄付金が含まれている。
一部の地方税務当局は上記根拠より、2013年7月1日以降のグロスアップ所得を計算する際に強制保険料の控除を認めるが、それ以前の所得については強制保険料の控除を認めないとしている。
個人所得税法は2009年1月1日より有効となっているが、2013年までグロスアップ所得を計算する際の強制保険の控除に関する明確な規定がなかった。
しかし、強制保険料は従業員の給与(所得)から源泉徴収されるものなので、原則としてグロスアップ所得を計算する際は控除されるものと考える。
そのため、2013年7月1日以降の強制保険料の控除は認めるが、2013年6月30日以前の強制保険料の控除は認めないという見解は妥当ではないと判断する。
また、過去の2009年~2012年の税務調査実務でも、各地方税務当局はグロスアップ計算時の強制保険額の控除が認められている。
なお、弊社の実務経験から鑑みると、税務当局が過去に税務査察にて既に強制保険料の控除を認めている場合は再度査察は行われないものと考える。そのため、税務調査済みの個人所得税は上記控除がそのまま認められると考える。
しかし、未だ税務調査されていないかまたは税務調査中の場合には、上記1.)に記載の通り強制保険料の控除について指摘されてしまうリスクが高いとも言える。
この場合、控除額の減少に伴う個人所得税の追加納税、加えて追加納税額の10%のペナルティ、および遅延利息(一日当たり0.05%)の支払いを求められるリスクがある (2013年6月30日以前)。
本件は地方税務当局と納税者間の解釈が食い違う可能性があるため、詳細は弊社までお問い合わせください。