2015年1月号

日本語版PDF日本語版PDF ベトナム語版PDFベトナム語版PDF

右のPDFファイルより、ニュースレターの保存、印刷が可能です。
最新のAdobe Readerが必要です。

項 目

1. 企業会計制度に関する通達第200/2014/TT-BTC号

2014年12月22日付で、財務省は企業会計制度に関する決定第15/2006号に代わる通達第200/2014/TT-BTC号を発行した。当該新通達は2015年1月1日より有効になる。

重要な内容は以下の通りである。

  1. 129、 139、 142、 144、 223、 311、 315、 342、 415、512、 531、532などの科目を除去した。また、一部の取引に関する計上方法を変更した。
  2. 企業は会計帳簿システムを自己設計することができる。
  3. 適用為替レート及び外貨取引の計上方法を詳細にガイダンスしている。売掛金の計上及び再評価には取引銀行のTTBを適用し、買掛金の計上及び再評価には取引銀行のTTSを適用する。
  4. 工場完成前に発生した為替換算差額は、財務費用又は財務収益に計上しなければならない。2015年1月1日前に設立された企業が、為替換算差額を有している場合、その残高は2015年度に財務費用又は財務収益に計上しなければならない。
  5. 外貨で会計記録をつけている企業も、年度の財務諸表はベトナムドンに換算しなければならない。法律上の監査済決算報告書はベトナムドンで作成された財務諸表でなければならない。
  6. 外貨からベトナムドンに変換する為の適用為替レート(以前は銀行間の平均レートを適用する)
    • 資産及び負債:取引銀行の為替レート
    • 資本金:出資日の取引銀行の為替レート
    • 損益計算書上の項目:発生時の為替レート(差異が3%以下の場合、当期の平均レートを適用することも可能)

2.  法人所得税

投資許可書の修正に関する法人税の優遇

2015年1月8日付で、税務総局は法人税のガイダンスに関するオフィシャルレター Official Letter 55/TCT-CSを発行した。

企業のプロジェクトについて2014年1月1日前に最初の投資証明書が発給されたが、2014年内に修正投資証明書が発給され、当該プロジェクトは工場建設段階でまだ正式に稼動していないため、当該修正投資証明書の発給日までに売上がまだ発生していない場合、当該プロジェクトは新規投資プロジェクトとみなされ、現行規定に基づき法人税の優遇を享受することができる。

労働者に対する福利厚生費の法人税上の取扱いについて

2014年12月31日付で、ホーチミン税務局は福利厚生費を法人税上損金算入するための取り扱いに関するオフィシャルレター Official Letter 11819/CT-TT&HT号を発行した。

2014年度より、労働者もしくは労働者の家族の結婚祝金及び弔慰金・社員旅行費用・自然災害、事故、病気に対する見舞金等、福利厚生にかかる費用は法人税上損金として認められるが、以下の条件を満たす必要がある。

  • インボイス及び適切な証憑がある。
  • 銀行送金書類がある。(インボイスの支払金額が2,000万ドン以上)
  • 労働者に支払う福利厚生費の合計額が、課税年度内の実際支給給与の平均月給を超えない。

3. 個人所得税

ネット保証された所得に係る個人所得税の還付のガイダンスに関するオフィシャルレター Official Letter 5954/TCT-TNCN

2014年12月31日付で、税務総局はネット所得に対する個人所得税の還付のガイダンスに関するオフィシャルレター Official Letter 5954/TCT-TNCNを発行した。以下の留意点がある。

1.個人所得税確定申告実施
  • 労働者が会社に税務確定申告を委任する場合、個人所得税の還付額は会社の口座に支払われる。
  • 労働者本人が税務局に直接確定申告をする場合、個人所得税の還付額は労働者の口座に支払われる。

また、上記の場合、会社と労働者間の還付税額分の受け渡しは、労働契約書に基づき行われる。

2.委任状

労働者は会社に個人所得税の確定申告及び還付を委任する際、以下の条件を満す必要がある。

  • 委任状が外国において外国語で作成される場合、領事館による認証手続き及び公証が求められる。
  • 委任状がベトナムにおいてベトナム語により作成され、外国人労働者がその本人の口座への還付を申請する場合、委任状の公証は不要である。他人の口座への還付を申請する場合、委任状の公証が必要となる。

4. 労働

労働法の一部の内容に関する実施ガイダンスについて

2015年1月12日付で、政府は労働法の一部の内容に係る実施ガイダンスに関する政令05/2015/ND-CPを発行した。詳細は以下の通りである。

  1. 雇用者は、労働者に対して、給与の支払いを15日以上遅延する場合、中央銀行により発行された、1ヶ月の定期預金利率を乗じた遅延金を追加で支払わなければならない。
  2. 退職金及び離職金算定用の勤続期間は最短1年(12ヶ月)で計算される。1年以上の期間については、1ヶ月以上6ヶ月未満は半年として計算し、6ヶ月以上は1年として計算する。