2016年12月号

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項 目

1. 付加価値税

税制に関する2016年12月2日付ハノイ税務局発行オフィシャルレター 74116/CT-TTHT号

通達39/2014/TT-BTC 号の第16条第2項によると、“サービス提供に対するインボイスを発行する日は当該サービスを完了する日であり、入金有無は関係がない。但し購入者が前払いをする場合、又はサービス提供期間中に支払いを実施する場合には、インボイスを発行する日は入金日となる。”

通達219/2013/TT-BTC 号第8条によると、“サービス提供に対する付加価値税の確定時点はサービスを完了する時点又はインボイスを発行する時点であり、入金有無は関係ない。”

上記より、企業が取引先に対し、前年にサービスを提供し完了したが、インボイス発行が翌年となる場合、規定に従わずインボイスを発行していることになるため、税務(付加価値税)に関する行政違反で処罰される。同時に不適切な時点でインボイスを発行することになるため、通達10/2014/TT-BTC号の規定に基づきインボイスに関する行政違反で処罰される。

購入者にとって当該取引は実際に実施され、インボイス又は証憑も作成されている。そこで通達219/2013/TT-BTC 号の第14条第8項における条件を満たせば、仕入VATを控除できる。

税制に関する2016年12月19日付ハノイ税務局発行オフィシャルレター 77583/CT-TTHT号

2016年8月10日付税務総局発行オフィシャルレター3550/TCT-KK 号ガイダンスによると、2016年度に付加価値税の申告方法として控除方法を適用する場合、フォーム06/GTGT を提出しなければらなず、期限は2016年4月30日までである。期限を過ぎた場合には、2016年5月1日より直接方法を適用しなければならない。そして販売インボイスを使用する必要がある。

2016年5月1日以降、企業がVATインボイスを使用する場合、税務(付加価値税)に関する行政違反により処罰され、業者に渡したインボイスに対するVATを納付しなければならない。

2. 法人所得税

設立前企業の立替金に対する法人所得税に関する2016年11月28日付ハノイ税務局発行オフィシャルレター73172/CT-TTHT 号

通達219/2013/TT-BTC 号の第14条第12.bによると、設立前企業が他の企業(受託企業という)に委託し、コピー機、原材料、部品、ソフトウェアなどの購入費用を支払う場合、当該インボイスが2016年6月22日付財務省発行通達96/2015/TT-BTC 号、第4条の規定における条件を満たせば仕入VATを控除でき、損金算入も認められる。

なお立替金を返金する際、2,000万VND以上のインボイスに対して、企業は受託企業に銀行で送金しなければならない。

3. 個人所得税

残業代(200時間を超える分)の個人所得税の免税に関する2016年10月26日付ハノイ税務局発行オフィシャルレター66647/CT-HTr号

通達111/2013/TT-BTC 号の第3条第1.iによると、夜シフトにおける賃金、深夜残業に伴う賃金が昼シフトにおける賃金、営業時間の賃金より高い場合、個人所得税の免税対象になる。

つまり夜シフトにおける賃金、および(労働者が200時間を超えて残業している場合でも)深夜残業に伴う賃金は政令45/2013/ND-CP 号の第4条1、2項の規定における条件を満たせば個人所得税の免税になる。

個人所得税制に関する2016年12月12日付税務総局発行オフィシャルレター5742/TCT-TNCN号

2013年8月25日付の通達111/2013/TT-BTCの第9条1項h.2.1.1.1及びh.2.1.2点に基づき、会社は労働者の扶養家族証明書類を保管し、税務局の要求があった場合は提出する義務がある。税務調査時に労働者の扶養家族証明書類を提示できない場合、当該労働者の扶養家族控除は認められず、会社は追徴課税分を支払う必要がある。

税制に関する2016年10月13日付ホーチミン市税務局発行オフィシャルレター 9912/CT-TTHT号

通達111/2013/TT-BTC号の第2第2.g項及び通達96/2015/TT-BTC号の第4第2.6項によると、会社が負担している外国人駐在員の子女の学費(幼稚園から高等学校まで)は損金算入が認められ、個人所得税の対象外になる。

原則として当該学費は適切なインボイスを有しなければならない。しかし日本国総領事館付属商工会立ホーチミン日本人学校(ホーチミン日本人学校)は、教育費の支払に対してインボイスを発行せず、請求書、領収書等の書類しか発行しない。そこで、これらの書類及び銀行振込通知書、現金支払いの領収書等を証憑として、当該教育費を法人税上の損金に算入することができる。

4. 外国契約者税

税制に関する2016年10月12日付ホーチミン市税務局発行オフィシャルレター9849/CT-TTHT号

付加価値税(VAT)に関する2013年12月31日付通達 219/2013/TT-BTCの第5条1項に基づき、賠償金はVATの課税対象外である。

FCTに関する通達103/2014/TT-BTCの第4条2項に基づき、契約違反により外国企業に対して賠償金が発生する場合、その賠償金を支払う際にFCTを申告・納税する必要がある。FCT計算式は下記の通りである。

- VAT部分: 課税対象外

- 法人税(CIT)部分= 賠償金X税率2%(第13条による)

5. その他

2017年度の国庫予算に関する2016年11月11日付国会発行決定書 27/2016/QH14号

2017年7月1日付本決定書により最低賃金は1,210,000 VND/月から1,300,000 VND/月に増加する。

よって2017年7月1日以降、社会保険料、健康保険料の上限も24,200,000 VNDから 26,000,000 VNDに増加する。(社会保険料、健康保険料は加入時点で地域の最低賃金を下回ってはいけない、また社会保険料、健康保険料の上限は基礎賃金の20倍を超えてはいけない。)

また2017年1月1月より有効になる2016年11月14日付政令153/2016/ND-CP号によると、地域の最低賃金は2017年1月1日より 適用され、下記のように増える。

  • 地域1は70,000,000 VNDから 75,000,000 VNDに増加する。
  • 地域2は62,000,000 VND から66,400,000 VNDに増加する。
  • 地域3は54,000,000 VND から58,000,000 VNDに増加する。
  • 地域4は48,000,000 VNDから 51,600,000 VNDに増加する。

本規定により雇用者、労働者強制保険料の負担が大きくなるケースがある。

インボイスに関する行政違反のガイダンス2014年1月17日付財務省発行通達10/2014/TT-BTC 号の改正・補足2016年10月31日付財務省発行通達176/2016/TT-BTC号

本通達により、下記の通りインボイスに関する行為違反の罰則金規定が改正される。

- 企業が業者にインボイスのプリンターを発注するにあたり、契約書を締結しない場合、500,000 VND ~ 1,500,000 VND (改正前:2,000,000 VND ~ 4,000,000 VND)の罰則金を課される。(第1条第1項により)

- 取引契約書にて必要項目の記載がない場合、500,000 VND(改正前:2,000,000 VND)の罰則金を課される。(第1条第1b項により)

- 売り手がインボイス(業者に渡す2ページ目)を失った場合、4,000,000 VND ~ 8,000,000 VND(改正前:10,000,000 VND ~ 20,000,000 VND)の罰則金を課される。(第1条第4項により)

但し買い手がインボイスの2ページ目を失い、会計上にて計上及びVAT申告を実施する場合、4,000,000 VND ~ 8,000,000 VND(改正前:2,000,000 VND ~ 4,000,000 VND)の罰則金を課される。(インボイスが自然災害、火災又は不可抗力による損失、損傷の場合、罰金されない。

また組織、個人が税務調査前に間違いを自ら発見し、報告、および申告書の再作成・提出をする場合には、罰則金は課されない。(改正前:組織、個人が報告、および申告書提出をする期間において間違いを自ら発見し、報告書を再度作成・提出する場合にのみ、罰則金を課されない。)

また、下記のような項目が追加された。

- 税務局より許可がおりていない時点で企業がインボイスを使用する場合、2,000,000 VND ~ 4,000,000 VNDの罰則金が課され、当該インボイスを無効としなければならない。(第1条第1項により)

- 税務局に報告を提出した日から5日後にインボイス発行を開始できる。それ以前にインボイスを発行する場合、500,000 VND ~ 1,500,000 VND)の罰則金を課される。(第1条第2項により)

- インボイスサンプル、および発行通知書を会社で掲示しない場合、2,000,000 VND ~ 4,000,000 VNDの罰則金を課される。(第1条第3項により)

本通達は2016年12月15日より有効になる。

ベトナムにおけるIFRS 適用プロセス

財務省は、2030年に向けた会計・監査の戦略承認に関する2013年3月18日付政府発行決定書480/QĐ-TTg 号、及び企業に対する支援・発展に関する2016年5月16日付政府発行決定書35/NQ-CP 号に基づき、2020年までに企業に対する発展支援を目指す。ベトナムにおいて財務諸表の基準を発展・整備させることが求められており、それを受け財務省はベトナムにIFRSを取り込んだVAS/VFRSを更新・発行している。IFRS の適用プロセスは下記の通りである。

- 2017年~2018年

+ VAS/VFRS及びIFRSに関する提案内容に向けた専門家、企業、大学の意見をヒアリング(研究活動)する為にセミナーを開催する。

+ IFRS の概念を取得、翻訳する。

+ 公共団体でIFRS の適用することを検討する。

+ IFRSの適用について評価する。(ベトナムの金融メカニズムをIFRSに照らし合わせて評価する。)

+ IFRS を試験的に適用する対象を選択する。

- 2018年~2020年

+ ベトナムの実情に適合するように、IFRSに存在する10~20個の標準からを1つを選択する。2020年以降は公共団体に対して選択した標準を公開し、適用する。(試験的に使用される対象については2019年より適用される。)

+ IFRSの適用状況について説明する。

+ 企業、監査法人、大学に対し継続的にIFRS を案内、宣伝する。

- 2020年~2023年

+ IFRSの標準を約30個とし、継続的に公開する。

+ 標準IFRSに基づき財務諸表を作成、IFRSの適用を希望する組織を奨励する。

+ IFRS を継続にガイダンスし、適用する。

+ 企業の適用をサポートするとともに、大学の知識取得をサポートする。

- 2023年~2025年

+ IFRSの完全適用を発表する。

+ 企業、大学を継続的にサポートする。IFRSに変更があれば、当年に改正、補足、更新する。

また財務省は全ての対象に対し適用を促進するため、英語からベトナム語にIFRSを翻訳する。

(参考文献:会計・監査の制度―財務省)