2020年3月号

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項 目

1.  VATインボイス

立替費用についてのVATインボイス作成に関する2020年3月10日付ハノイ市税務局発行オフィシャルレター10335/CT-TTHT号

本通達では、インボイスの内容、作成時点、フォーマット、エラー処理などの項目を含む電子インボイス使用登録・作成方法をガイダンスする。
本オフィシャルレターによると、会社が親会社の従業員のベトナム出張費用(飛行機代やホテル代)立替払する場合、サプライヤーは親会社宛にVATインボイスを作成しなければならない。会社は親会社宛に発行された当該費用のインボイスにかかるVATを申告・納付してはならない。また、会社が親会社から当該立替金を回収する際は、VATインボイスを発行せず、請求書のみを作成・発行すればよい。
サプライヤーが既に会社宛てにVATインボイスを発行してしまった場合、会社はサプライヤーに対し、当該VATインボイスを回収し親会社に対して改めてVATインボイスを発行するよう求める必要がある。サプライヤーが親会社宛にインボイスを(再)発行できない場合は、会社が親会社に対し立替費用を請求する際に法令に基づきVATインボイスを発行し、VAT申告・納付しなければならない。

2. 法人税

非現金決済が必要な費用を現金で支払った場合の損金不算入に関する2020年3月31日付税務総局発行オフィシャルレター1366/TCT-KK号

本オフィシャルレターによると、2017年、2018年にある会社が売手に対し、非現金決済をするべき商品(2千万ドン超の商品)の購入代金を現金で支払い、VATおよび法人税申告を実施した。2019年に同社は売手に対し上記の費用を改めて銀行送金により支払い、売手は同社に対し重複支払額を銀行送金により返金した。
上記の場合に対する税務局の見解は以下のとおりである。
- 上記の売買取引は2017年、2018年時点に完了したのであり、2017年、2018年の会計において、上記取引について買掛金は既に存在してない。
- 上述の2019年の金銭のやりとりは2017年、2018年の売買取引にかかる支払いとは見なされない。
従って、会社は上記の取引に対する仕入VATを控除できず、法人税上の損金計上も認められない。

2. 法人税

リース設備を紛失・破損した際の補償に関する2019年11月11日付ホーチミン市税務局発行オフィシャルレター13316/CT-TTHT号

会社が事業活動用設備のリース契約を締結設備を借り受けたが、リース期間中に会社がこれを紛失、破損し、契約条件に基づき会社がサプライヤーに対し補償しなければならない場合、
- 破損した設備を会社がサプライヤーに返却する場合、当該補償額はVAT申告・納付の対象とならない。サプライヤーは入金伝票を作成し(インボイスの作成は不要)、会社が出金伝票を作成するとともに、両者は補償対象となる破損した設備の価額を明記した補償合意書を作成する。会社は、この補償合意書と出金伝票に基づき補償額を損金計上する。
- 設備を紛失した場合、またはサプライヤーに返却できない場合、サプライヤーは会社に対しVATインボイスを発行しなければならない。設備を紛失した場合、当該保証費用は損金算入が認められない。

3. 付加価値税

本社所在地以外の市・省でおこなう投資プロジェクトのVAT還付に関する2020年3月31日付税務総局発行オフィシャルレター1352/TCT-KK号

会社が投資プロジェクトを実施するために、本社が置かれている市・省とは別の市・省に支店を設立した場合、当該プロジェクトのVAT還付手続きをするためには支店が以下の条件を満たす必要がある。
- 法律にもとづき支店自体のスタンプを持っている。
- 会計法に従って会計帳簿を作成し、証憑を保管している。
- 支店の銀行預金口座がある。
- 税務登録済みであり、税コードが発行されている。
当該投資プロジェクトのVAT還付申請は、支店がその管轄税務署対して行わなければならない。

4. 個人所得税

税務局への外国人労働者の情報提供に関する2019年12月6日付ホーチミン市税務局発行オフィシャルレター14672/CT-TTHT号

2013年8月15日付の通知111/2013/TT-BTC号第27条によると、ベトナム法人が外国契約者との間でサービス購入契約書を締結し、外国契約者が契約遂行のため外国人を任命しベトナムで業務を行わせる場合、ベトナム法人は、当該外国人がベトナムで働き始める7日以上前に税務局に対し当該労働者の情報(国籍、パスポート番号、就職期間、負担勤務、所得など)を通知する責任を負う。

5. その他

Covid-19による納税延期、遅延利息の免除に関する2020年3月3日付税務総局発行オフィシャルレター897/TCT-QLN号

通達156/2013/TT-BTC 号第31条第1項によると、納税延期措置を受けられるのは天災、火災、突発事故によって事業・生産活動が直接影響を受けるほどの物質損害が生じた場合である。突発事故には交通事故、労働災害、危険な病気、当局により対象期間と地域を特定のうえ宣言された疫病、その他の不可抗力事由を含む。
したがって、企業がCovid-19 により影響を受けた場合、納税延期及び遅延利息の免除を受けることができる。
納税延期申請書類は以下のとおりである。
- 本通達のフォーム01/GHAN にもとづく納税者の納税延期申請書
- 納税者または法的代表者が作成した、在庫と物的損害を評価した記録
-天災、火災、突然な事故が生じた時点(期間)・場所において発生した損害についての、公安、人民委員会(村、区)、工業団地、輸出加工区、経済区又は救助組織などのいずれかの組織の認定文書
- 保険機関が承認した損害補償書類の公証コピー(あれば)、組織・個人の責任割合判定書類の公証コピー(あれば)。納税者が法人である場合、上記の書類は原本または法的代表者の署名・捺印入りコピーが必要になる。
納税延期の管轄:申請企業を管轄する税務局の局長
遅延利息の免除申請書類は以下のとおりである。
- 管轄機関(財務局により設置された算定評議会、または契約に基づき価格算定サービスを提供する評価専門会社、または財務局の算定センターなど)が発行した資産の損害額確定記録
-天災、火災、突然な事故が生じた時点(期間)・場所において発生した損害についての、公安、人民委員会(村、区)、工業団地、輸出加工区、経済区又は救助組織などのいずれかの組織の認定文書
-保険機関が承認した損害補償書類(あれば)
-組織、個人の責任割合判定書類(あれば)
遅延利息の免除の管轄: 納税延期の通知を発行した税務局の局長
本オフィシャルレターにて地方の税務局がCovid-19による影響を与えられた企業に納税延期、遅延利息の免除に関する政策をすぐにガイダンス・解決すると要求する。