2020年9月号

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項 目

1. 個人所得税

社員ではない労働者にクーポン券で報酬を支払う場合の個人所得税に関する2020年5月5日付ホーチミン市税務局発行オフィシャルレター 4386/CT-TTHT号

オフィシャルレターによると、会社がプロジェクトを実施する際に、(社員ではない)労働者を採用し、その報酬をクーポン券で支払う場合、当該所得は賃金所得と見なされる。会社から支払う報酬が200万ドン以上となる場合、労働者に支払う前に個人所得税10%を源泉徴収しなければならない。

2. 法人税

2020年度の法人税減税についての国会発行議決 116/2020/QH14号の実施ガイダンスに関する2020年9月25日付政令 114/2020/ND-CP号

I. 課税対象となる売上高、課税期間および減税額の確定方法
1.企業の2020年総売上高が2,000億ドン未満の場合、2020年度の法人税額について30%の減税を適用することができる。
2. 2020年度の総売上は、販売、加工、サービス提供、補助金など全ての収入を含む。
+) 2020年度中に新規設立され、あるいは企業形態変更、所有形態変更、統合、合併、分割、分離、解散、破産などにより事業活動月数が12ヶ月未満となった企業に対しては、以下の計算方法が適用される。
2020年の総売上 = 実際総売上 ÷ 事業月数 x 12ヶ月
+) 事業活動月数の計算にあたって、1か月未満の月は1か月に切り上げられる。
3. 2020年度の年間売上高が2,000億ドン未満になると見込まれる場合、本政令の施行後から四半期毎に法人税の30%減額を適用し、70%相当のみの仮納付を行うことができる。
4. 2020年度末になって、総売上高が2,000億ドンを超えなかったことが判明した場合には、法人税確定申告時に一括で2020年法人税額の減税申告を実施できる。
法人税減税は優遇税制適用後の未払税金に基づき計算される。
5. 減税対象となる期間は2020年度の暦年である。ただし、決算月が12月ではない場合、2020年中に開始する事業年度が対象となる。
6. 2019年の第4四半期に新規設立された企業、または企業形態変更、所有形態変更、統合、合併、分割、分離、解散、破産などにより2021年第1四半期に活動終了した企業については、所定の計算に基づき算出された12か月分の総売上高に対して法人税減税が適用される。
II. 減税申告の実施要項
企業は法人税減税額を自ら確定する。
税務申告書を作成する際、企業は通達151/2014/TT-BTC 号および本議決116/2020/QH14号の付録に規定されたフォームにより申告しなければならない。
企業が2020年度の法人税申告手続きや管轄機関の調査決定書により納税額が増えた場合にも、増加額に対して本政令に基づき30%の減税を適用することができる。なお追納額に対して追徴課税のほか加算税や延滞税を納付する必要がある点は、従来の規定どおりである。
III. 施行有効
本政令は議決116/2020/QH14 の発効日(2020年8月3日)に遡って施行される。

3. 付加価値税

輸出加工企業の加工品注文に対する税制に関する 2020年8月21日付税関総局発行オフィシャルレター 5589/TCHQ-TXNK号

1. 輸出加工企業がその他の輸出加工企業の加工を受注する場合
1.1. 関税について
加工の対象となる物品は輸入関税、輸出関税ともに課税対象外である。
1.2. 付加価値税について
付加価値税の対象外である。
2. 輸出加工企業が国内企業のために加工を受注する場合
2.1. 国内企業の税務上の取扱い
- 輸入関税
国内企業は完成品を受取る際に、輸入申告を実施し輸入関税を納付しなければならない。
課税価格 = 加工料 + 加工契約に基づき外国企業が提供・消費した原材料の価値
※輸入関税の計算にあたっては、国内企業が加工契約に基づいて輸出加工企業に引き渡す原材料の価値は含まれない。(通達39/2015/TT-BTC 号第17条第3項参照)
- 付加価値税について
国内企業は通達219/2013/TT-BTC 号第7条第2項により課税価格に基づき付加価値の申告・納付を行わなければならない。
課税価格 = 輸入価格 + 輸入関税(あれば)+ 特別消費税(あれば)+ 環境保護税(あれば)
2.2. 輸出加工企業の税務上の取扱い
- 付加価値税について
輸出加工企業の加工活動が、政令82/2018/ND-CP号第30条第7項に規定するベトナムにおける商品売買活動に直接関連する商品売買活動となる場合、輸出加工企業は上記の加工活動に対する付加価値税(税率10%)を別途申告・納付しなければならない。

輸送スケジュールと輸送費の内容が一致しない輸出品の付加価値税還付に関する2020年8月28日付税務総局発行オフィシャルレター 3560/TCT-KK

本オフィシャルにおいて税務総局は、クアンチ省税務局に対し、運送スケジュールと輸送費の明細が一致していない輸出品の付加価値税還付手続については、付加価値税の還付管理作業強化に関する2015年7月30日付財務省発行オフィシャルレター10492/BTC-TCT号に基づき審査、処理するよう要請している。
オフィシャルレター10492/BTC-TCT号では、企業が輸出をした場合でも、以下の書類がないか、または書類の内容に齟齬がある場合にはその輸出品にかかる付加価値税の還付はできない旨が規定されている。
・ 売買(輸出)契約書
・ 通関申告書(税関局が承認したもの)
・ 輸出インボイス/VATインボイス
・ 購入品、輸出品の銀行振込証憑
・ 運送証明証憑

通関申告を行わなかった輸入品の付加価値税に関する2020年8月14日付税務総局発行オフィシャルレター 3330/TCT-CS号

本オフィシャルレターによると、ベトナム企業(売手)がベトナムの港または空港で引渡しを受ける条件で外国業者から商品を購入したが、この売手が輸入通関申告を行わず、引渡し場所で他のベトナム企業等(買手)に販売し買手が輸入通関申告を行い関税を納付した場合、上記ベトナム企業同士の取引は税率0%が適用される条件を満たさず、法令により付加価値税の課税対象となる。また、買手に販売する際にも、売手は法令により売上時付加価値税を申告しなければならない。
当該買手が納付した付加価値税については、輸入時に付加価値税を納付した証憑があり、付加価値税の控除条件を満たすことができれば、規定により仕入VATとして他のVATと同様に控除できる。

4. インボイス

税務申告済み電子インボイスの取消に関する2020年9月1日付ロンアン省税務局発行オフィシャルレター 2501/CT-TTHT号

2020年7月に会社が顧客に対し商品加工の電子インボイスを発行し、2020年7月期にVAT申告と納付を行ったが、2020年8月に出荷伝票上の顧客名が誤っていたことが確認されたため、顧客は出荷伝票を再度発行するとともに、会社に対して7月に発行された電子インボイスを取り消し、8月付のインボイスを発行することを依頼した。
本件について、ロンアン省税務局は以下のとおり案内している。
1. 電子インボイスを発行し、買手に送付したが、納品またはサービス提供が完了しておらず、または税務申告を行っていない場合、
→ インボイスの項目に誤りがあることを発見したときは、2011年3月14日付財務省発行通達32/2011/TT-BTC 号の第9条の規定により売手と買手が合意した上で、インボイスを取消すことができる。
2. 電子インボイスが発行され、納品やサービス提供が完了しており、かつ売手と買手が税務申告を行った後に誤りを発見した場合、
→ 売手と買手は、誤った項目を明記し双方の電子署名を付した合意書を作成するとともに、売手から2011年3月14日付財務省発行通達32/2011/TT-BTC 号第9条の規定に基づき調整電子インボイスを発行する。
従って本件の場合、会社が顧客に対して規定に従って電子インボイスを発行した為、当該インボイスを取消することはできない。